地方の農業団体に所属している団体職員の40歳の男性です。先日いつもの飲み仲間と飲んでいたときに、その中のひとりが「ろうきんってサラ金みたいなもんだろう？…」って言ったのです。

そのときは「えっ！？…ろうきんはサラ金とは違うだろう」って答えたのです。が、いまひとつろうきんとサラ金の違いがよく分かりません。ですから、できればろうきんとサラ金の違いに関して教えていただきたいのです。

また、ろうきんはサラ金ではないですよね？

ろうきんはサラ金ではありません

わかりました。あなたの質問に答えましょう。結論から先に言えば、ろうきんは絶対にサラ金ではありません。また、「お金を融資する…」との点では同じですが、その根本理念はまったく異なると言って良いのです。

ここでは主にその観点について触れていきたいと思います。まずサラ金は、人にお金を貸して金利で利益を上げることを目的とした営利会社であると言うことです。そのことからサラ金では様々な金利水準を設けており、また融資額についても各々の会社が少しでも利益を上げるための工夫が成されていると言って良いのです。

具体的に言えば、資金力があり集客力の高い大手サラ金は、融資額が大きくて、集客力が高い分だけ利用者数も多くなるので金利水準は比較的低めに設定しても十分に利益を上げられる構造になっていると言えます。

一方で、中小サラ金の場合は、大手サラ金に比べると集客力や知名度の点で劣り、資金力も低いことから融資額も大手に比べて低く、かつ少ない数客数でできるだけ利益を上げたいことで金利水準は高めに設定されていると言うことなのです。（参考ページはこちら→大手とは違う中小消費者金融の事情）

以上のように、サラ金はあくまでも金利で利益を上げることを目的とした営利企業なのです。

他方でろうきんは、利益を上げることを主目的とした金融機関ではなく、「労働者の社会的地位向上と働く人の家族の生活を守る…」といった社会的役割を担った、言ってみれば労働者のための福祉ニーズや金融ニーズを支え満たすための金融機関と言って良いのです。

そのことから両者は「お金を融資する」との点では共通しますが、そこにおける根本的理念はまったく異なると言って良いのです。それゆえ、ろうきんはサラ金ではないと言えるのです。

ろうきんの社会的役割を具体的に見ます。一つ目は、労働組合の活動や組合の自主的な福祉活動ニーズをバックアップするかたちで支えることを目的としています。二つ目は、営利を目的としない福祉金融機関として、できるだけ低金利な金融商品を提供することを旨としている点です。（参考ページはこちら→低金利は融資で重要）

三つ目は、生活協同組合等の福祉事業団への事業資金融資を積極的に行っていることです。さらに、ろうきんの特徴としては、サラ金による多重債務者とならないような予防策やサラ金から借りる代替融資を積極的に展開していることなのです。

つまり、この点から言えば、ろうきんはサラ金とは対極に位置する金融機関とも言えるのです。以上の事から、ろうきんはサラ金ではないのです！

さらに言えば、ろうきんは労働者であれば誰でも利用できますが、労働組合員・生協組合員・一般労働者といったように属する組織によって融資額や金利等について差異があるのがろうきんのひとつの特色になっているのです。