地方の私立大学法学部に通う23歳の男子大学生です。先日、大学の講義でグラミン銀行について学びました。そのときにふと思ったのですけど、「グラミン銀行って、もしかしたら日本のサラ金と同じじゃないのか…?」と感じたのです。

確かにグラミン銀行の目的は“貧しい人たちの救済”にあるのですが、金利を取っているとの点でサラ金となんら変わらないとも思うのです。で、グラミン銀行はサラ金と同じと考えて良いのでしょうか?
(⇒銀行とサラ金の明確な違いとは?

グラミン銀行はサラ金でないがシステムは同じ

わかりました。あなたの疑問に対して答えましょう。グラミン銀行は、バングラデシュの首都であるダッカに本部がある民間の銀行であり、サラ金ではありません。グラミン銀行の融資目的は、マイクロクレジットと言う非常に貧しい人々を対象にした小口融資にあります。

また、特に貧困に喘ぐ女性をターゲットとした融資を展開している点にグラミン銀行の特徴があります。女性の貧困を助けることによって子供の教育にかかるお金を与えることとなり、教育を得て成長した子供は収入を得る道を獲得することで“貧困の連鎖”を断ち切ることにグラミン銀行の存在は大きく貢献していると言って良いのです。
(⇒融資の貸し付け対象

さらに、グラミン銀行では無担保で貧しい人たちに貸し付けるのですが、その際に5人1組の互助グループを作って、1人の借金に対して他の4人が各々に責任を担うといったユニークなシステムを導入しているのです。

つまり、1人分の借金を5人共同で返済するシステムと考えて良いのです。そのような連帯責任のシステムと、1人分の借金を5人の力で返済するといった各々の返済負担が軽くなることもあってか、なんと返済の回収率は98%と言う高さなのです。

つまり、グラミン銀行の融資は、日本のサラ金と同じように利用者の信用力を基本とした“信用貸し”のシステムと同じと言って良いのです。他方で、グラミン銀行の融資金利は、決して低くなく、むしろ高金利と言って良いのです。(参考ページはこちら→高金利だと返済が大変?

そして、グラミン銀行は政府の福祉目的とした銀行では無く、民間銀行なので、この高金利で会社は利益を上げているのです。「金利で利益を上げる」との点を鑑みれば、グラミン銀行はサラ金となんら変わるところが無いと思われるのです。そして、グラミン銀行からお金を借りた人は、高金利ゆえに一生懸命に働いて元金と利子分の返済をしていくのです。

この点もサラ金とまったく同じと言えますね。以上の事から、グラミン銀行の融資業務の本質を見れば、我が国のサラ金のシステムとまったく同じであると言って良いのです。しかしながら、グラミン銀行はサラ金とは異なる点もあります。それはサラ金とは異なり、融資の根底に流れる理念が“貧しい人たちの救済”といった福祉的理念があることなんです。

そして、実際にグラミン銀行の融資は貧しい人への融資が中心となっているのです。つまり、グラミン銀行の利用者がある意味で限定されているとの事実は、幅広い利用者を対象にしたサラ金とは決定的に異なる点と言えるのです。

また、あえて返済能力の低い人たちに融資するこのグラミン銀行の融資姿勢も日本のサラ金の融資の実情とは大きくかけ離れたものと言えるのではないでしょうか。そして、その意味においてシステムこそ同じだが、グラミン銀行とサラ金は本質的な部分で違いがあると考えて良いのです。

グラミン銀行の金利は日本のサラ金と同じくらいです

グラミン銀行は、貧しい人たちを救う対策の一つとして設立されたものです。バングラデシュの首都ダッカに本部をおく民間銀行で、サラ金ではありません。

ただ、貸付金の利息は、驚くほど高く日本のサラ金と変わらないとされています。最も貧困層に、小口融資をすることです。貧しい人々の中でも特に女性をターゲットにしています。その理由としては、女性は子供を産みまた育てていきます。その過程で、その子供達が教育を受けることでこの貧困のループを断ち切ることが目的です。
(⇒日本の利息相場について

その貸付のやり方が、少し変わっています。無担保で貸付するのに5人の互助グループを作ります。そして、1人の借金に対して4人がそれぞれの責任を取るというような形式をしています。このお互いが、グループの責任を持つシステムは返済回収率は98%と高くなっています。ここでは、お互いが信用をして、また裏切ることもなく連帯責任を果たしています。

ただ、ここで問題となるのがその貸付の利息の高さが年利で20パーセントあることです。確かにグラミン銀行は民間の銀行になります。そのためにも、普通の銀行と同じように利益を上げる必要があるからです。多くの人に、利用してもらうには利益をあげて存続させることが大事です。

そして、日本の常識から考えるとひどく高い金利に見えます。しかし、このバングラデシュでは他の金融機関はもっと高利の利息を設定しています。その金利は、凄まじく年利が100%や200%もあるのです。

これらの、融資のお金で女性達は何かの仕事を始めて安定した収入を得る努力をしています。今日食べるものがないと言う、日本人からは考える事もできない世界が今も現実としてあります。ほんの少しのお金を、キッカケにしてその貧困から抜け出すことができます。子供達にも、教育を受けさせることでキチンとした仕事にも就くことが可能に」なります。その支援をしているのが、このグラミン銀行の特徴になります。

【参考ページ】
融資の返済について考える