たまに「サラ金ビル」という言葉を聞きますが、これは何かサラ金と特別な関係を持ったビルなのでしょうか。普通の企業が入っているビルとは何かが違うんですか?どのような建物についてそう呼ぶのか、教えてください。

複数のサラ金が入居して集まっている状態のビルのことを言います

「サラ金ビル」と一般的に呼ばれているのは、サラ金各社の支店や自動支払機が、一つのビルに複数ずらりと集まっているビルのことですね。貴方も、繁華街や駅前などで、名の知れたサラ金の看板が一箇所に集まっている光景を見たことが有りませんか?それがサラ金ビルなんです。大体、雑居ビルが多いですね。特に、夜になると目立ちますし、目を引きます。必要としている人が、すぐに解るように大きな目立つ看板を出しているんですね。

なにしろ、駅前の一等地や繁華街の中心という目立つ位置に派手な看板が有りますので、一瞬、仰天してしまうかもしれませんが、これは、今、至急サラ金で借りたいんだ!という心境で探している、借りる側の人間としては、場所を間違えようが有りませんし、すぐに飛び込むことが出来るので、メリットが有るのではないでしょうか。(参考ページはこちら→金融業者の分かりやすいメリット

サラ金が事務所として賃貸ビルで営業する場合、貸す側としては少し手続きが大変になります。サラ金が自分の持ちビルを貸金業で事務所として使用することに承諾した、ということを、知事や財務局長に書面で提出する必要が有るんですよ。もっとも、近年は、入居していた一般の企業や商店も、不景気などの煽りで撤退が相次いでいる世情が有りますので、その後にサラ金が入居するという流れが多く有る様子ですね。

サラ金は、同業者に貸してくれる賃貸ビルを見付けると、一般の企業とは異なり入居可能な物件が限定される事情から、次々に集結します。サラ金がサラ金を呼んでいるような状態に見えるかも知れませんが、複数の会社から借りている場合の返済や複数のサラ金から借り受けたい時には、サラ金ビルは利便性が高いと言えます。複数のビルをはしごするよりは効率的ですし、出入りも一回で済みますよね。

ただ、最近では、貸金業法の改正などの影響も有り、刻一刻と変化する金融業界の現況に対応するため、かつて入居していたビルからも支店などが撤退する場合が有ります。融資を受ける際などには、念のため、向かう先の支店や自動契約機が現在も営業しているか、インターネットでサラ金のウェブサイトを閲覧するなどして、事前に確認しておいた方が良いでしょう。(参考ページはこちら→理想のサラ金の探し方

ところでサラ金ビルとはどういうビルで何故できたの?

サラ金ビルとは、皆さんご存知のように、消費者金融の自動契約機や支店が複数集まっているビルのことです。大きな駅の前や繁華街などによくありますよね。ちなみに、都市部ではなくて、地方の郊外だと大きなビルではなくて平屋の建物かせいぜい2階建ての建物が国道沿いにあって、そこに2、3の業者が自動契約機を置いていることが多いのです。いずれにしても、なぜ消費者金融は同じ建物で営業するのでしょうか。顧客の取り合いにならないのでしょうか。
(⇒金融業者毎に違いがあるの?

まず、一つの理由として、貸す側の都合があります。都市部では、長引く不景気から高い賃料が支払えない企業が増えています。とりわけ、駅前などの一等地はテナント料が高いですよね。そのため、テナントビルに入居していた企業が退去してしまうわけですが、その後を埋めるため、消費者金融の自動契約機や支店が入居させなくてはならなくなったのです。

また、テナントビルを貸金業者の事務所として使用する場合には、貸主が「貸金業の事務所として使用することを承諾した」旨の書面を財務局長や都道府県知事に提出しなければなりません。要するに、貸す側も少々法的に面倒なのです。したがって、貸金業者が利用できるテナントビルは限定されるため、貸金業者の自動契約機や支店が特定の建物に集中するわけです。

さらに、今でも貸金業者に良いイメージを持っていない貸主が多く、そのために貸金業者が借りられるテナントビルが限られるという事情もあるようです。

なお、先ほど書いた「客の取り合いにならないのか」という問題ですが、むしろ貸金業者にとっては都合が良いようです。一目見れば貸金業者が営業していると分かるサラ金ビルは、宣伝効果が抜群です。また、他社で借りられなかった人が自社にやってくるということで、自然に顧客開拓ができてしまいます。さらに、利用する側としても、同じ建物に複数の業者が入っていた方が、借りる際も返す際も非常に便利です。(参考ページはこちら→お金を返すときの方法とは

そういうわけで、サラ金ビルは増え続けていたのですが、貸金業者に対する規制の強化と業界再編による貸金業者の自動契約機や支店の撤退などにより、サラ金ビルがサラ金ビルではなくなりつつあるようです。