1994年生まれなので、物心ついたころからずっと不景気です。お給料もあまりよくないし、この先よくなるとも思えません。将来や老後のことを考えると本当にやっていけるのかなぁって、暗い気持ちになります。いつかサラ金のお世話になるかもしれないから金利のことを調べていたら、昔はもっと金利が高かったと知りました。どんなふうに金利が変わったのか教えてください。

100%越えの時代もあったけど、徐々に上限が引き下げられました

サラ金の金利は、時代と共に変わっています。でも、いつの時代も、金利は法律によって決められています。時代によっては法律内で今では考えられない上限が決められていたり、法律がきちんと守られず、異常に高い金利で営業する業者が当たり前にいた時もあったんです。

お金を貸す業者の歴史はとても古いものですが、現在に至る流れに関係する辺りから、その歴史を振り返ってみましょう。

1954年に施行された「利息制限法」という法律で、金利の上限が決められました。その上限とは、借入金額が10万円までなら20%、10万円~100万円までは18%、それ以上は15%でした。今の金利とそれほど変わりませんよね。でも、実際はこのような金利で貸してくれる業者は、とても少なかったのです。法律で決められているのに、なぜ?とお思いでしょうが、この決まりには罰則がなかったんです。破っていても何のお咎めもなしなら、利益を追求するために、法律なんて守らないという業者がほとんどだったんですね。

その後、日本経済の回復にしたがって、金利はどんどん上がっていきました。バブルの時代なんて、100%を越える金利もありました。100%を超えるということは、借りたお金の2倍以上を返さなければならないということ。今ではとても信じられませんよね。

こんな金利では、返済に困る人が続出するのも当たり前で、激しい取り立てに苦しんで一家離散や自殺なんていう悲しい事態が引き起こされるようになり、サラ金地獄は社会問題に発展しました。

その後、徐々に金利は引き下げられ、2000年に「出資法」の改正で、金利の上限は29.2%と定められました。これには罰則も設けられたため、この上限を守る業者がほとんどになりました。しかし、先に書いた「利息制限法」によって本来は金額によって上限が決められているのですが、これは相変わらず守らないところが多く、利息制限法の上限から出資法の上限までの間の金利(15%~29.2%。これはグレーゾーン金利と呼ばれていました)を取るのが通例となっていたんです。

さらに、不景気が酷くなる中、自己破産や自殺などの問題はますます深刻化していきました。この事態を重く見て、2010年に完全施行された「貸金業法」により、さらに金利の上限が引き下げられたんです。

なので、今のサラ金の金利の上限は20%と決められています。実際は18%くらいを上限にしている会社が多いですね。バブルの頃の金利を思えば、ずいぶんとお客さん思いの金利になったように感じますよね。その背景には、過去の借金地獄に苦しんだ人たちからの教訓や不景気があったんですね。

でも、いくら金利が低くなったと言っても油断せず、返せる金額だけを借りる姿勢を忘れないでくださいね。(参考ページはこちら→金融業者から借り入れる金額はしっかりと意識しよう

【参考ページ】
融資金利についてさらに詳しく

消費者金融/サラ金の金利はどの様に変わったのか

1980年代に日本は昭和バブルと呼ばれた時代があります。市場にはお金が流通し、株などの運用で大きく儲けた投資家も少なくありません。利益を得る方もいれば、一方では金融機関から借金をする人も多く、バブル崩壊によって、多額の借財を抱える人も多くいました。

当時、消費者金融はサラ金と呼ばれ、サラリーマンなどの会社員を中心に顧客を増やしていました。貸金業者の主な仕事は、個人向けの信用貸付けです。個人の信用を担保に資金を融資しますので、担保や保証人を必要とせず、誰でも比較的簡単にお金を借りることが出来ます。その分、金利が高いことを理解して、慎重な資金計画を立てて利用する必要がありますが、中には簡単に利用できることから安易に借り入れ返済に困窮する人も大勢いました。厳しい取り立てに追い詰められ、返済のために新たな借り入れをし多重債務に陥る者も多くいました。

現在は、貸金業者の金利は上限が設定され、かつてのように法外な金利設定をすることが禁じられています。これからカードローンを利用する方は、サラ金の金利はどの様に変わったのかを知っておくと、カードローンと言う金融商品に対する理解が深まるのではないでしょうか。(参考ページはこちら→金利の上限は最低限把握しておこう

かつて、消費者金融(サラ金)は、グレーゾーン金利を適用することが出来ました。グレーゾーン金利とは、貸金業法や利息制限法(出資法改正以前)に定める上限金利(年20%)を超えるものの、出資法に定める上限金利(年29.2%)に満たない金利のことを言います。刑罰の対象から外れていたため、グレーゾーン金利で貸し出す貸金業者の取り締まりが出来ませんでした。

現在は、法律によってグレーゾーン金利が廃止され、貸金業者が適用出来る貸出金利の上限は最高で年20%と決められています。今でも、闇金業者など上限金利を守らないところがありますので、利用者は、どの金融機関でカードローンを利用するか、慎重に検討する必要があります。