昔、アイチというサラ金があり、テレビでもCMを流れていました。私もお世話になったころがあるのですが、最近は全く名前も見かけず耳に入ることもありません。今更お金を借りようというわけでもないのですが、気になっています。興味本位ではありますが、ご存じの方がおられたら教えて頂けないでしょうか。よろしくお願い致します。

アイチというサラ金が昔ありましたが、今もありますか?

昔、サラ金のアイチは確かにありましたね。バブル時代に巨万の富を築き、各界に名を轟かせた森下安道という方が経営されていたサラ金ですね。いわゆる闇金だったようですが、現在は倒産しているようです。(参考ページはこちら→闇金に油断は禁物

正直、情報があまり出てこないので詳しいことはわかりませんが、森下安道という方は、「闇金の帝王」や「マムシの森下」という異名を取るほどの人物だったらしく、かなり勢いもあったようです。不動産もかなり所有し、ゴルフ場の経営や美術商など手広く商売をされていたようで、当時の日本においてはかなりの重要人物だったようです。

しかし、時代の流れによりサラ金が商売を続けていくのは厳しくなりほとんどのサラ金は廃業に追い込まれていました。アイチもその一つだったようですね。

サラ金が時代の波に飲み込まれて軒並み倒産していくのは総量規制過払い請求訴訟によるところが大きいでしょう。バブルの頃、消費者金融がテレビCMをバンバン流し、暗く悪いイメージを変えながら市民権を得て一般の顧客を取り込んでいきました。

バブル崩壊後、経済の悪化とともに誰でも簡単に借り入れができ、主婦や学生もがお金を借り入れることが増えていきました。その反面、グレーソーン金利により借金が膨れ上がり、返済ができずに自己破産を余儀なくされる方も続出します。

そうした負のスパイラルに歯止めをかけるために施行されたのが総量規制です。総量規制は貸金法の一つで消費者金融などの貸金業者での借り入れが年収の3分の1以上借り入れできないというものです。これは、1社あたりではなく、個人の借り入れ総額です。これにより借り入れ金額が急激に下がる人が増えました。お金を貸して金利を儲けとする貸金業者にはかなりの痛手となったようです。

さらに、2010年にはグレーゾーン金利の規制も厳しくなります。グレーソーン金利は利息制限法によって20%以上の金利は無効になっていましたが、出資法という法律では29%までの金利が認められていたため、利息制限法と上限金利と出資法の上限金利の間の金利のことを指します。

多くのサラ金が法の目をかいくぐってグレーゾーンで貸し付けていましたが、法改正が行われ、グレーゾーン金利が禁止され、更にはグレーゾーンで貸し付けていた会社を過払い請求として返還を請求できるようになり、過払いによる返還訴訟があいつぎ、経営が悪化したサラ金は軒並み倒産をしていきました。

簡単に説明をしあしたが、アイチも同じくこの時期に倒産をしたようです。

アイチは柔軟な対応で貸し付けるサラ金業者

アイチはサラ金業者ですが、貸金業法に基づいて営業はしていません。いわゆるヤミ金業者であり避けるべき金融機関の一つです。ヤミ金を利用するメリットは高金利であっても、債務整理の経験やブラックリストに載っていても利用出来る点です。中小企業や自営業で駆け出しの頃は資金繰りに困って、こういうヤミ金業者からお金を借りることがある場合があります。
(⇒ブラックリストだと闇金しかないの?

銀行や一般の消費者金融では審査に落ちてしまったり、利用限度額が低い為に事業資金に充てられなかったりと様々な弊害が生じます。ヤミ金業者は借りる相手の事は考えておらず、利益を得ることしか考えていないので金利は法外に高いです。アイチの場合は年利18.25から29.20%となっています。法定金利は20%までであるので、明らかに違法な金利です。
(⇒融資審査に問題なく通るには

こういった業者は信用情報を得ることなく、その人物の収入だけで判断します。つまり、嘘でも年収を多く記載すれば多く借りられます。審査の際に年収を記載する理由は、総量規制の範囲内で貸し付ける為です。これは消費者金融にのみ適応されることですが、これは利用者を守る為の法律としても活かされています。

ヤミ金業者は、利用者が借金を返済出来なくなれば家族や友人に至るまで取り立てを行って、搾れるだけ搾り取るだけなので金利のことは計算していません。利用者は返済出来ないような金額は絶対に借りないことが大切です。返済計画を立ててから借りることが常識ですが、その際には異常な金利による利息分の計算も忘れてはいけません。

100万円借りた場合は一年で返済しても130万円になります。また、ホームページや広告に記載されている金利は表向きで、実際には年利300%の暴利で営業を行っていることがほとんどです。ヤクザの様な身なりの人からお金を借りることになるので、取り立てに関しても暴力行為が行われるのは言うまでもありません。すぐに警察や消費者センターに相談することが大切です。